天才と語られた異端児、アレクサンダー・マックイーンのイノベーティブなデザイナー人生を、彼と密に関わってきた親族、友人、デザインチームのインタビュー形式で彼の象徴的なコレクションを時系列に構成しストーリー展開される。
光と闇の二面性を突きつけられ、鑑賞後は極端な才能に圧倒され、言葉を失い、良い意味での後味の悪さ、本質に訴え掛け違和感がぐるぐるとする。
トップメゾンのデザイナーが施すゼロイチの立体的なデザインの裏側を垣間見ることができる貴重な映画だった。
雑誌や写真ではあまりにも表面的なものしか受け取ることができないのだと痛感した。
人が服を纏う動作、質感、音、空間で構成され、五感で受け取るものがファッションであるのだと再認識した。
コンセプチュアルであることとは、自分の生を深く深く突き詰めていく行為であり、その一瞬のインスピレーションを掴み、衝動的に美意識と転換していく彼のパッションに圧倒され、彼のクリエイティビティーに腹落ちし、あっという間に2時間が過ぎる。
彼のジェットコースターと語る極端な人生に寄り添い、自分のクリエイティビティーをアップデートする良いきっかけになる映画である。