海老川

七つの会議の海老川のレビュー・感想・評価

七つの会議(2018年製作の映画)
4.0
営業、ノルマ、パワハラ、電機関連、大手子会社(しかも親会社は大阪)
いやこれ俺が去年まで居た会社やんけ。
調べたら親会社の方はまさにそこがモデルだな原作の名前的に。最悪な企業だな(別れた恋人の愚痴言う奴)

池井戸潤のコンテンツは初なんですが非常に楽しめた。全く退屈しない。
冒頭の会議から一致具合に笑える。どこもこんな感じなんだろうな。

「なんなのこの数字?」
「いつやるの?何台?何台?何台?」
「自分で申告したんだから絶対達成できるよな?」

人間って頑張っちゃうから駄目なんだよな。無理やり死に物狂いで売っちゃうから、達成できちゃうからそりゃ上としてはパワハラが正義だと思うよな。実績こそが営業の価値になっちゃうんだから。

年金暮らしの老人言いくるめて〜ってとこ、一緒一緒。

構成がとても納得できるというか、落とし所が綺麗だと思う。
「このままこいつだけが悪って風潮で終わったらつまんねえ映画だな〜」ってのを気持ちよく裏切ってくれる。そんな単純な問題じゃないんだよな。
もっと言うと、悪い人間居ないんだよこの映画に。全員作られてんだから。前時代の何かに。

ただラストの語りは嫌いだ。めっっちゃ正しいと思うけど。正しいからこれこそ皆に伝わって欲しいけど映画としては邪魔だ。歯がゆい。
次の職場はノルマという言葉からかなり離れるわけなんですが怖いなあ不祥事。やっぱ理想はニートだな。
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