Yukenz

記者たち~衝撃と畏怖の真実~のYukenzのレビュー・感想・評価

3.8
衆議院総選挙直前での視聴。
いつからか、かつての政治家という仕事から政治屋という職業に成り下がっていると思い始め、もはや政治への信頼は失せていたが、本作を見て更なる恐怖を感じてしまった。

政府とは絶対的権力を手に収めてパワーゲームに勝ちたいと思っている人たちの集まりだと考えている。

政府或いは上層部にいる一部の政治屋や関係筋の人たちにとって都合のいい方針や対応を決定してから、それを実践するためにフィットする情報ばかりを拾う、もしそのような情報が見つからない時には捏造するというシステムが出来上がっていて、大手マスコミは政府のプロパガンダ役として大いに機能する。

政府にとっては真実が大事なのではない。いかに事実を作り上げるかが大事なのである。世論戦争に勝つことが絶対で、その為の情報操作は当たり前に行う。

本作で描かれていた新聞社ナイト・リッダーの編集長や記者たちは、世の中の大筋に迎合することなく、ジャーナリストとしての本物の信念と報道の自由の精神に立ち返って、ひたすらに独自路線を突き進んでいく。この姿には感動せざるを得ない。

そして彼らの信念と正確な記事に賛同・期待し、政府にとって不都合な公表されていない真実を情報として提供する、正義感を持った関係筋たちの存在。
給料をもらっている立場では保身するのは仕方のないことだと理解するが、このような行為には世の中まだ腐りきっていないんだなと救われる思いがした。
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