こく

まく子のこくのレビュー・感想・評価

まく子(2019年製作の映画)
3.5
西加奈子の児童文学の映画化ですが、『円卓』同様に大人も観れる静かなSF作品です。王道ボーイミーツガールで、少年の成長、出会いと別れ。ほとんど父親として機能してない草彅剛が描かれます→父親との確執は少なめ。

小学校高学年、女子の方が急に大人になり、ガキのままの男子が取り残されて感じるジレンマが良く出てます。

宇宙から来たという美少女コズエと、自分だけが特別な関係を構築してると主人公は思っていたのに、村中の老若男女とテレパシーで通じてましたって、なかなかの悪意! 異性に変な勘違い、過大な期待を持たないようにという教訓。確かに児童文学っぽい。

宇宙から来たコズエを演じる新音の透明感が凄い。透明感あり過ぎて、普通の少女の役は難しいかも。近年のキムタクやガッキーのように、何年も本人役を演じる病にかかりませんよう。

繰り返しますが、草彅さんはいっちょかみくらいの出演時間で、あまり息子の成長には尽力しません。

少し大人になったら、他人に優しくなれるというメッセージも、児童文学らしく、しっかり描かれてました。

また、宇宙人が見せる奇跡は正直『未知との遭遇』より素晴らしいです。
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