シミステツ

小さな恋のうたのシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

小さな恋のうた(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

沖縄の小さな町でバンドに熱狂する高校生。東京のレーベルからスカウト。交通事故による死。バンドメンバーの記憶喪失。

ひき逃げ犯の捜索。基地の存在。引き裂かれたフェンスの向こう側の友。シンジの作ったデモ楽曲を演奏してほしいー妹からの願いに再び立ち上がるメンバーたち。

純粋にMONGOL800世代にはめちゃくちゃ刺さる青春映画でありながら米軍基地をテーマにしているので絶妙な重さも出ている。

モンパチの音楽が流れるだけでうるっときてしまう。音楽のちからってすごい。屋上の演奏シーン最高だった。映画に合わせてBPM下げてるのも合ってたね。基地のフェンス越しにイヤホン片耳ずつ聴くのもエモいし、青春が詰まってる。一方、冒頭の記憶喪失の展開が早くて気持ちがついてかなかった。学校側の規制が厳しいとした時に屋上シーンで先生駆けつけるの遅すぎるし、ライブ楽曲が拡散されるリアリティが微妙。リサの親の描き方がベタだし、米軍基地まわりのメッセージ性がわざとらしく見えちゃうし感情の持ちどころが難しくてイマイチ感はあった。親や学校側が出過ぎというか、このあたりの丁寧さが肝なので、中途半端になるなら死んだ兄、友のためにバンドをして想いを届ける青春一点張りのプロットでも十分良かった気がする。沖縄、米国の分断を超えた友情、在り方というところを上手く内包して伝えたかったんだろうけどこの点については消化不良感というか、生っぽくなくてベタにとどまっていて残念。