87分という短尺はありがたいけど、それで面白くもなければ得るものもないっていうのは、勘弁して欲しい。
キアヌも好きだし、ウィノナも好きだけど、この2人は好きじゃない。
イケメンだけど屁理屈ばかりのフランク(キアヌ・リーヴス)と、美人だけど偏屈なリンジー(ウィノナ・ライダー)。フランクにとっては反りの合わない異父兄弟であり、リンジーの元カレでもある花婿に招待された豪華なリゾートなウェディングで出会った2人。何かと席が隣同士になるも、互いの印象は最悪。そんな2人に思いがけない恋のきっかけが舞い降りる—— 。
なんて、あらすじを書いてみたけど、白々しくなってきた。
もう、ずっと文句ばっかり。
それこそ大人なんだから、結婚式に参列したからには上辺だけでも笑ってりゃいいのに。
何せキャラクターの描き方が酷い。
魅力を感じない。
大人になって、本音が言えない。素直になれない。でも本当は…◯◯◯。この、◯◯◯の部分に人柄の良さとか、ピュアな部分とか、何かしら観る者を惹きつける何かがなければ、それこそただの偏屈者でしかない。この作品には、この隠された何かが、ない。
キアヌは気圧がおかしいのか、片耳を塞いで奇声を発する仕草が不快だし、ウィノナはしかめ面ばかりで、せっかくの美人が台無しだし。オーバーアクト気味な2人の演技は、観ていて心地良いものではない。
そんな2人が恋に落ちる顛末も、ただの吊り橋効果でしかないし、互いの良い部分を褒め合うシーンも、外見の良さばかり。
歳を重ねて理屈ばかりを並べているのなら、理屈で恋しろ。偶然性ではなく必然性で恋をしろ。
"運命の人っているのかしら?"とボヤくなら外見ではなくて中身を見ろ。
あらどうしよう。
良い所が全くなかった。
ん?
文句ばっかり言っているこのレビューもまた、拗らせ過ぎて、まわり道ばかりを繰り返した者の屁理屈なんだろうか。
何か引っかかるものがあって、劇場公開をスルーしたけど、自分の予感は当たっていたなぁ。