ヨッシー

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search/サーチ(2018年製作の映画)
4.5
『PC画面だけど映画館のスクリーンで見ようぜ😊』

全編をPC画面の映像のみで進行するサスペンス・スリラー。

突如行方不明になった娘をSNSを使って探す父親はSNSに隠された娘の闇に迫っていく。

監督は長編映画初監督となるアニーシュ・チャガンティ。
出演はジョン・チョー、ミシェル・ラー、デブラ・メッシングなど。

10月の頭ぐらいに10月公開の映画一覧を見てて、正直そそられる映画があんまりなくて(結局10本ぐらい見てるけどww)ツイッターで「オススメあります?」って聞いたらフォロワーさんに『デス・ウィッシュ』と一緒にオススメされた1本。

本作の話を聞いたときの感想は「ああ、そういうアイデア映画ね。面白そうじゃん」といった感じで興味を持ったので事前に予告編とかを一切見ないで見てきました。

まず、これはなんといってもアイデアの勝利。
本作の最大の特徴は全編をPCの画面だけで作るという非常に特殊な構造。人が映るところは全てテレビ電話や動画、カメラの映像などで他はインターネットで検索したりメールでやりとりしたりと非常に特殊な作りになっている。
この時点ですでに一見の価値アリな作品だと思うがそれ以上に素晴らしいのは、この作品は単にアイデア1発の出落ち的な映画にはなっておらず、この特殊な構造をしっかり1本の映画にするために様々な工夫がされている事。これに関してはここでネタバレとかしたくないから自分の目で確かめてほしい。

こういったアイデア的な部分でも十分素晴らしい作品だが、この作品をそれ以上のものにしているのは脚本。
今回の話自体は割とシンプルなサスペンスなんだけど、シンプルだからこそ作り手の実力がよくわかる。おそらく全編PC画面という手法を使わなくてもこの話は普通に面白いと思う。
二転三転するハラハラの展開の連続で退屈しないし、伏線もしっかり張られてる。

ドラマの部分も非常にしっかりしていて、特に主人公であるお父さんの感情を見せる演出がとにかく見事。演じてるジョン・チョーの演技も素晴らしいし、彼が画面に映ってない時でも画面に映される文字だけでしっかり感情移入できるように演出されている。

ちょっとしたSNSあるあるネタも面白いところ。例えば、メッセージを打とうとしたら先に相手のメッセージが来て消しちゃとか。このメッセージを打ったけど、結局消してしまうところもラストで実に上手い使い方をされててかなりグッと来た。

まとめると、全編PC画面という斬新な手法、シンプルながら洗練された脚本、細部まで行き渡る見事な演出と本当に見事な作品。
全編PC画面だからって円盤とかでPCで見ようとか思わないで是非劇場で見てほしい。こういう新しい映画体験は劇場でしてこそ。
超オススメです!
ヨッシー

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