やあ、ツボったっ。健気系に弱いのだ。とんでもな設定やおおいにご都合的なところなど関係なーいw。
原作は読んでないけれど、こんなシンプルな世界いーよね。どこかおかしな変態だろうとこんなんは現実的には有り得なかろうと構わない。少なくともフィクションの世界に圧倒的な善意や100パーセントのピュアな恋心がなくなった時にはほんとうの地獄だ。そしてひとが結局は想像からしか創造できない生き物だとしたら(AI=人工知能だって、つまるところそれは人間の欲望をなぞってるに過ぎないのだ)、こんな「変態」の人間がたくさんあふれる世界になったらどんなにかすばらしいだろう。
それにしても石井裕也の作品は必ずどこかいわゆる世間的な常識からは遠く離れた人物がピュアさを貫くところが好きだなあ。そして設定も作品世界も良い意味ではちゃめちゃw。エネルギーが画面やありきたりのセオリーやリアルから弾け出す。
くだらない予定調和やしみったれた同調圧力をまことしやかにこれぞリベラルや正義だと勘違いしている呆れたバカ丸出しの風潮のなか、どっちがまともなんだとおおいに振り返る機会にもなる。
「町田くんの世界」が「みんなが町田くんの世界」になりますように。
・・見終わった高校生らしきふたりがそんな事を話してた。日本はまだまだ大丈夫だと思った。
・猪原奈々の演技は非常に好感を持った。いつの間にか恋していく移ろいと相手へのジレンマ。その後の悦び。その難しさを表情豊かに演じている。まさに「好きになってまうがな」w
・度を越えてしまっている強い心情を写実的に描くのは難しいと考えているのか、石井監督の演出はどこかで必ず爆発する。その「おいおいおい!」を愉しめて共感できて、で、寛容になれるかで見方は変わる?