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町田くんの世界のShojiIkuraのレビュー・感想・評価

町田くんの世界(2019年製作の映画)
4.5
現時点で今年一番よかった映画だ。
最後の場面が賛否両論で、僕としてももう少し現実に寄せて欲しかった(でなければこの居心地のいい世界が結局現実ではないと結論付けられてしまいそう)のだが、コミカルに進んで最後ファンタジーで夢見心地になるという手法は、チャップリン映画からの一番贅沢な手法と思う。この映画でもゲラゲラ笑って、ウズウズ・ドキドキしてジーンとするナイスなコメディだった。思うに30間近の役者を高校生役に配したのは、新人であるヒーロー・ヒロインを支える、というだけではなく、今風の言葉を使わせて高校っぽい環境にしながら、どこか大人の世界に通じる「孤独」を醸し出したかったのではないか。だから学園生活から35年も離れたおじさんも共感できたのだと思う。加えてどのキャラも個性が強くユニークで憎めないどころかいとおしい。佐藤氏のみ、悪役のままで終わってしまうのでそこに至るストーリーと、町田くんに少しでも影響を受ける話があるとよかった。
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