2019年 330本目
途方も無い。あと何回信じて、あと何回抱き締めて、あと何回心を許せば、子への愛は報われるのか。
見捨てることが出来ればどれだけ楽だろう。逆に、信じることを辞めるのはどれだけ辛いだろう。
死んだも同然な息子を追いかけることはどれだけ辛いだろう。
愛する息子に対し、死んでもらった方が楽だ。と考えてしまうことはどれだけ辛いだろう。
話の基になる実際の親子の回顧録を読む限り、この映画は少なくとも、嘘偽りなく事実を描いている。もちろん作り物なので脚色があるのは当然ですが。
家族愛でどうこうなるものじゃない。薬物依存なんて救いも無ければ終わりもない。それが薬物の怖さであり、支える側の辛さ。
今日は手を出さなかった。明日も頑張ってみよう。を、死ぬまで繰り返す。
それは十分伝わる映画だった。と同時に、支えることが全てとは限らない、という穿った見方も覚えた。