黎音ーRain

The Witch/魔女の黎音ーRainのネタバレレビュー・内容・結末

The Witch/魔女(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

…完全に騙されました

最初は普通に生活してた子が
急に変な組織に絡まれて可哀想と思いながら
ハラハラして見てたけど
どんでん返しにマジで鳥肌

脚本やキャラクター設定の凄さはもちろんだけど
それに完璧に答える演者たち
本当に素晴らしい

視聴後に全てを知った状態でそのまま2回目見た
字幕はもちろん吹替も最高で
普通の人生送ってる自分には
到底想像できない感情なのに
それがすごく伝わってきて
その中にいるかのように感情を激しく動かしていた

アクションシーンは
遺伝子操作されたという設定もあり
通常よりも激しい上に血みどろで容赦なく
目を覆いたくなるシーンも多かったけど
その一つ一つにも
遺伝子操作されたキャラたちの感情の動きが見えて
演者もそうだがアクション監督の発想にも感動した

物語の大筋である遺伝子操作
人間が手を出してはいけないところまでいくと
どうなるのかというのがある意味リアルだった
遺伝子操作により生物兵器にされた子供
彼らには罪はなくても本能がそうさせる
彼らを作品としてしか見ていないドクターや関係者
残虐かつ非人道的だが人間には過去戦争の時に
生物を化学兵器にするために研究した過去や
クローン実験の事実が存在する
それを考えるといつかいや今もどこかで
人間が手を出しては行けない領域に
踏み込んでいるひとが既に存在するかもしれないと
フィクションとは言い難いものを感じた

主人公はそれに抗い続けているのがかっこよかった
やり方は凄くずる賢くて残忍だけど
普通の生活を手にしようともがき苦しんでいるように見えた
義両親や友達との別れのシーンもそうだが
友達の危険を感じてリスクを承知で彼女は動いた
元々組織と接触を狙ってはいたが
周りに危害がでることは本当に嫌がっている
悪夢のような被験体としての幼少期から逃げ切り
平穏に暮らしていた時間は
彼女の暴力的本能に明らかに変化をもたらしていた
研究者達の勝手で生み出されてしまった彼女
用意されたレールから必死に別の道を模索する姿は血に汚れていても美しく感じた

敵キャラもまた素晴らしいキャラクター達
主人公と因縁がある青年は
序盤の登場や主人公とのアクションシーンでは
冷酷でまさに実験通りの人物のように見えた
しかし最後に主人公と交わした会話から
主人公と同じように自身の能力や生まれに
恨みや悲しみが見えて演者の演技力を感じた

そして、主人公の両親と友達
彼女の残虐性や異常さを知りながらも
生きての再会を願っている事が
どれ程主人公の支えとなっているのか
主人公のせいではなく
遺伝子操作によって異常者ではあるが
その彼女を受け入れてくれている彼らに
施設から逃げだした後の彼女の変貌が理解出来た

続編が早くみたい
続編では別の主人公が現れるようだが
今回の主人公の平穏な生活を願わずにはいられない
黎音ーRain

黎音ーRain