アキラナウェイ

愛がなんだのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.4
少しずつ今泉力哉監督作を鑑賞。

が、残念ながらハマれる程には響いてこない。今回もがっつり恋愛小説が原作で、面白いとは思うけど、ハマりはしないんだよなぁ。

猫背でひょろひょろの田中マモル(成田凌)に出会い、恋に落ちた山田テルコ(岸井ゆきの)。呼び出されたらどんなに遅くとも駆け付ける程、"マモちゃん"に依存していくテルコ。しかし悲しいかな、いまだに彼女は彼の恋人ではない—— 。

甲斐甲斐しくも尽くしまくる女子、テルコ。仕事よりも友達よりも、何せ"マモちゃん"。自ら都合の良いオンナに成り下がっている姿は痛々しく、全っったくもって共感出来ないけど、面白いキャラではある。岸井ゆきの、役にはハマっている。

テルコの事をいつからか"テルちゃん"と呼ばなくなったマモル。風邪をひいたとテルコに買い出しに行ってもらい、食事を作ってもらい、部屋の掃除までし始めた彼女に「もう帰ってくれる?」の一言は、なかなかパンチある。ただ、言いたい気持ちはほんのちょっとわかる。これまた成田凌が役にはハマっている。

①テルコ→マモル→すみれ(江口のりこ)

②ナカハラ(若葉竜也)→葉子(深川麻衣)

本作では主に上記①②の恋愛イタチごっこが延々と繰り広げられる。

ナカハラ「俺 ホントに
 好きなんですよ葉子さんのこと」

涙ぐんで話す演技にぐっと惹き込まれた。
若葉竜也、やっぱり抜群に上手い。

マモル「良かった〜
 山田さんが俺の事好きじゃなくて」

終盤、強がってマモルの事などとっくに好きではないと告げるテルコに対し、マモルが発した言葉。食べていた煮込みうどんの人参を掴みかけてスッと落とすテルコ。こんな細かな心理描写もいい。

一方通行で決して交わらない想い。
男女問題はいつだって面倒だ。

そう、面倒って思ってしまうのが今の自分の最大の問題点。誰にも何にも気を遣わなくていい、1人こそ最強伝説更新中。