みやび

愛がなんだのみやびのレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.3
まず面白かったのは、食事の描写。テルコが冒頭で作る煮込みうどん、発泡酒、葉子の家で食べる手作り料理とエビスビール、のようにそれぞれの食べたり飲んだり、作ったりするものがそれぞれの人柄や生活ぶりをうまく訴えかけて来ていたように思う。特に酒については、感想ブログで、「酒は依存を表しているのでは?」と書いている方がいて、なるほど説得力を感じた。たしかに、マモルにかなり依存しているように見えるテルコはよく酒を飲んでいる(そして、最終的には飲まなくなる)。

それぞれの恋愛には、共感できるところもあり、えぇ…と引いてしまうところもあり。自分が一番「わかるなあ」と思ったのは仲原くん。彼は表面上テルコに似ているように見えるけどそうではなくて、むしろテルコはマモルによく似ている。相手のことを好きでなにかやってあげたい、気を使いたい、と本人達は思っているようだけど、実際には相手に好かれたい、感謝されたい、あわよくば付き合いたい、そんな自己中心的な感情が強いように見える。それに比べて仲原くんは、「葉子さんがなんとなくさみしい時に声をかけられる相手」になりたいし、葉子さんが帰ってほしそうな時はだまってさっさと帰るのだ。
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