空気感がおっとりとしており良かった、エミルとヘディがヨタヨタしているのは老人なのでまあ当たり前なのだが、彼らを追いかける警察たちすらなんだかボンヤリとしていて、ゆるめのテンポ感。休日の午後に観るのにはとても良い感じです。
内陸国の人が言う「海が見たい」って台詞にはいろんな意味での渇望が含まれているように感じるな、ただの憧れだけではなくて。島国に住む自分にはない感覚だ。
含みを持たせたラストも素敵だと思った。描かれたラストシーンが現実なのか妄想なのか、どっちでもある意味幸せな映画だと思う。わたしは愛する人と同時に迎える死は幸せであり救済だと思っているから… でも、本当は、ふたりが海を見に行けたと信じたい。
毎日のニュースを見ては、わたしがおばあちゃんになったらいったいどうなってしまうんだろう?と不安に駆られるが、どうしようもなくなったら、みんなでエミルとヘディみたいに銀行強盗でもしようか。人生最後くらい華やかにやりたい。