ほ

THE GUILTY/ギルティのほのネタバレレビュー・内容・結末

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

騙された。
一方の意見、それも音声だけになると簡単に情報が覆る。息子の殺人犯の正体もそうだし、通話相手の主観で認識が変わる、ある意味記述トリック。

通話相手の音声のみでシナリオが進むのにダレず、ずっと物語に集中した良作。童女を安心させる為「弟の部屋に行きな」「パパの言うことは無視していい」と投げた言葉の責任、その転換。そのときのアスガーの絶望っぷりが画面、ほぼ無音に近い映像でいかんせんなく発揮。
イーベンの罪、次第にアスガー自身の罪を吐露するシークエンスが良い。詳しくは描かれないが、一見冷静なアスガーは感情/激情型なのが見ているうちにわかるので、その罪も彼が告白した通りなんだろうな。

ラストの余韻も良い。彼が介入しなければ、娘は弟の死(幼なすぎて認識してなさそうだが)を知らなかったし、イーベンも精神病棟に入って丸く収まったかもしれない。それでも彼が介入したことで、イーベンは自身の罪と向き合い、逃避ではなく、現世に戻ることを自ら選択した。だったらアスガーも次の日の裁判で自身の罪と向き合うんだろうな。

音声集中特化、ということで映画館で見たらまた印象が濃くなりそうな一本。おもしろかった。
ほ