コマミー

THE GUILTY/ギルティのコマミーのネタバレレビュー・内容・結末

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

【聞き分け、直視しろ】

[気まぐれ映画レビューNo.7]

※この作品と作風が似ている、「アロイス」という作品も是非観てみてください。おすすめです。


「フォーン・ブース」「オン・ザ・ハイウェイ」「サーチ」…。[電話越し]で繰り広げられるサスペンスは、とても"怖い"。
顔が分からず、そこで起きてる状況も「声だけ」で判断しなきゃならないため、直で話すよりも緊張感が増すからだ。だから、観客も数倍緊張感にさらされる。
しかも近年は、その作風にも多様性が増しており、「サーチ」のようなPC画面上で繰り広げられるサスペンスも誕生した。

だが本作は、「フォーン・ブース」には似ているが、私はあの作品とは違う緊張感を、この作品は味わえる事が出来ると思った。
舞台は警察の"緊急通報指令室"。本作は上映時間88分"ぶっ通し"で、主人公の"アスガー"と"電話越しの犯行現場"を映し続ける。ハル・ベリー主演の「ザ・コール」という作品も、同じであるが、観てもらえば分かる…全然違う!
犯行現場の状態も丸っきり「声のみ」なので、主人公も観ているこちらも"余計な緊張感(良い意味で)"を漂わせてくれる。これは、「オン・ザ・ハイウェイ」でも同じ手法が使われてた。

……ここまで聞いても、「なぁんだ、大したことねぇじゃん!」と思われてしまう。

だが、「本質」は違った。 主人公の状況も複雑だと言うことだ。彼は、前は"刑事"の仕事をしていたらしいが、捜査上のミスで、現在"裁判沙汰の真っ最中"だ。その"焦り"も相まって、冷静な対応が出来なくなる主人公がいることだ。
それが祟って、彼はこの仕事に"囚われる事"になるのだ。そして、誘拐されている"犯人の妻"や家に残っている夫婦の"娘"の話を聞いている内に、本当の現実を"直視"するようになるのである。

まさかこんな"トリック"があるとは知るよしもなかった私は、唖然としてしまった。

  これは単なる[救出劇]なのか?
  "救出されようとしている"のは、誰なのか?

不可解な言い回しであろうが、この作品は、そうゆう作品だったのだ……。
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