110番のオペレーターが主人公。ほぼ電話だけで物語が進む。不自然な返事をする通報者が、『いま誘拐されている人』であると気づき、懸命に救おうとするお話。オペレータールーム以外の映像描写はなく、電話のやりとりで状況を把握していく。鑑賞前の想像では、主人公がどんどん真実に近づいていき、スパッと解決！ってかんじなのかぁと思っていた。ところが、主人公はなんだかワケアリで、事件も一筋縄ではいかない（しかも陰惨）。人間はぐちゃぐちゃしてて、社会に馴染めない人、なんかぱっとしないなぁと思っている人がそこら中にいるのが普通なんだよなと改めて思った。劇的なこともたまには起きるけど、それが連続して発生するのは本当にまれで、人間そのものは全然ドラマチックじゃない。この映画は、そんなことを改めて思い知らせてくれた。
基本的に静かに物語が進んでいくので、会話の内容に集中し、自分の想像力で補いながらストーリーを追うのが楽しかった。
