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どうしようもない恋の唄のamuのレビュー・感想・評価

どうしようもない恋の唄(2018年製作の映画)
3.2
えー、フィルマめっちゃ評価低めすね、私は好きでしたよ。

「後妻業の女」みたいに悪事を開き直ってふてぶてしく生きている奴の性欲は気持ち悪いだけなのに、「アウトレイジ」で椎名桔平が自分の女を最後に抱くシーンにはグッとくるような、この抜け出したいでも抜け出せないみたいな、人から見れば底辺だなお前らと見下されてしまうような世界で、もがいて、でもそこにある愛は強くて、というこの系統、個人的に嫌いじゃなくて。だけど、それで悪くない作品にまとまってるものって実は少ないから、「純平、考え直せ」や「夜明けまで離さない」は残念でしかなかったけど、これは悪く無かったです。

「ケンとカズ」のカトウさんの持ち味と、そして何よりヒナ役の藤崎里奈ちゃんが愛おしくてハマってしまった。濡場にぼかしが入る映像処理は今どきそんなする?と、見せ方に萎えたけど、風俗で働いていても仕事とプライベートは違う、それは当たり前といえば当たり前だけどその違いを彼女の純朴さ(演技も含めて)から感じた。男はヒモになりたいわけではないし、女は好きな男をヒモにさせたいわけでもない、一緒に生きたい、支えたい、それだけであり、そこにある愛はとてもピュアなものに見えた。

別れることが彼のためだと不本意ながら一度は納得したものの、その日の浅草デートが楽しくて、帰ってきてヒナスペシャルだというプレイをしながら「別れないって言って」というヒナちゃんがとっても可愛くて、応援したくなり、幸せになって欲しいと思った。シーンとしては美しくもなんともないのはわかってるけど笑、私にはとても可愛らしく愛おしかった。

周囲の人間や、舞台が立石なのもなんか良かったし、ノワール作品の中では何度も言うけど良かったと思います。

佐々木心音ちゃんはもうこの手の作品では完全に先輩女優さんですね。
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