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ロケットマンのchinachoffのレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
5.0
本当〜〜に大好きな作品!
ミュージカルテイストの作品なので、ヒット曲も楽しみつつ、シーンごとの主人公の心理状態がわかりやすい良い演出だと思った。

前作の「ボヘミアン・ラプソディー」とストーリーの構成は一見似ているが、スターとして輝くことで人生の意義を見出すフレディ・マーキュリーに対して、エルトン・ジョンは名声を捨ててステージから逃げ出すことでありのままの自分を見つけるという逆のプロセスを辿るのが特徴的。

最終的にステージ用の奇抜な衣装を脱いでいってアーティストの「エルトン・ジョン」から脆くて弱い一人の人間である自分を認めていく演出に感動した。

またフレディ・マーキュリーはもう亡くなっているため映画の中ではレジェンド的に美しく描かれざるを得ないが、「ロケット・マン」はエルトン・ジョンの半生を醜い部分もリアルに描き切っている。
これはプロデューサーとして関わったエルトン・ジョン本人が「やるなら徹底的にやってくれ」と指示したのだとか。

天才的な才能を持っているのに親から愛をもらえない子供時代のエルトンが歌う「I want love」が本当に切ない。
そして子供の頃にきちんと愛を受け取れなかったことがその後の彼の人生にも影響を及ぼしてしまったんだなーと思う。そのおかげで数々の名曲が生まれたのかもしれないけど。
でも彼の父親や母親もそれぞれが愛に飢えていたんだなというのも伝わってくる。

あと「your song」はこの映画を観ずに聴いていたら一般的なラブソングとしか思えなかったと思うけど、映画のワンシーンの中で聴いたことによって歌詞に何重にも深みを感じた。今ではよく聴くお気に入りの曲になりました。
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