つかれぐま

斬、のつかれぐまのレビュー・感想・評価

斬、(2018年製作の映画)
3.5
12/18ユーロスペース#2

男らしさと暴力。この両者が「ないまぜ」になっていく怖さ。

江戸末期の時代設定でありながら、台詞は全て現代語。これはかなり意図的な演出で、作品のテーマが現代にも通底することを暗示、いや明示している。

自衛手段としての暴力の是非。
人を殺める刀が持つ美。この矛盾とフェティッシュに愛でる我々の本質。
疑似体験から抜け出そうとしない若い世代への苛立ち。

僅か80分という時間、空間、登場人物。全てミニマムな設定に詰まった濃密。