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ザ・ファブルのぉゅのレビュー・感想・評価

ザ・ファブル(2019年製作の映画)
3.7
2021年 鑑賞 21-191-10
金ローにて
南勝久先生の週刊ヤングマガジン連載のコミックが原作。「ガチ星」等の江口カン監督の、どんな相手でも6秒以内に殺してしまう伝説の殺し屋ファブルが、一般人として普通の生活を送るという過酷なミッションに挑む痛快アクション・コメディ作品。続編の「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」も製作された。

料亭で外国人マフィアと日本ヤクザが宴会をしていた。ところが見張り役はいつの間にか銃で撃たれて死んでいた。そうとは知らないマフィアとヤクザたちは、突如、銃弾が外国人マフィアのボスに命中。そのあと、瞬時にその場にいた何人も殺され、宴会は騒然とするのであった。逃げ惑う人たちも瞬時に殺されていった。そこに、顔をマスクで覆った全身黒ずくめのファブル(岡田准一さん)が現れ、一瞬にして周りは死体だらけになった。現場を後にしたファブルは、酒豪の相棒(木村文乃さん)が待つ車に乗り込み、テレビのお笑い番組でジャッカル富岡(宮川大輔さん)のネタを見て爆笑するのであった。ファブルは伝説の殺し屋であり、6秒以内で敵を仕留めることができるという誰もその存在を確認したことがない都市伝説ともいわれる存在だった。ファブルが属する組織のボス(佐藤浩市さん)は、しばらく活動を休むと言い、ファブルに1年間一般社会との交流を通して普通の生活をするように、またその間は人を殺してはいけない、もし殺したら俺がお前を殺す、というミッションを与え、酒豪の相棒と二人で、兄・佐藤明と妹・佐藤洋子という設定で大阪の町で暮らすように送り出し...

日本版トム・クルーズ(イーサン・ハント)として有名な岡田准一さんのスタント無し生身のアクションも見所な作品だけに、特殊部隊での訓練を受けたフランス人アクション振付師のアラン・フィグラルツ氏をファイトコレオグラファーとして起用しているという本気度が伝わる。

都市伝説の伝説の殺し屋は、猫舌、地方の言葉もバイリンガル、(オーバーリアクションで)痛がるフリから指の骨を折る、自由に鼻血出したりできる、笑い上戸、全裸トレーニング、食べ物は皮や骨の概念なし、幼少期のサバイバル体験、ボスからの殺し屋を育てる特訓、イラストは画伯レベル、だが(味があって?)人の心に刺さる?、夜空・星・虫の音が心地よい... といった性格なのだ。
あることから 、殺さないことをミッションにしている佐藤明が “伝説の殺し屋・ファブル” としての覚醒? 現場の再現のシーンは圧巻!ファブル には、血の跡や物の配置で、これだけわかるのも、現在と過去がシンクロした映像は秀逸だ。

ファブルの壁登り、静かに忍び寄るファブル 、銃弾の嵐を受け止めた後の反撃等々、ファブルのアクション最高!特にジャッキーか?と評された、あのアクションは、個人的に拍手喝采と脱帽モノ!

ただ、「殺さない」という糧、相手はヤクザたちで、対多人数が故、格闘アクションの少なさ、一部多人数過ぎてごちゃごちゃしすぎ感、銃撃戦の多さもあって、少し消化不良気味... また、ナニワのイーサンに期待ということで。でも、まさか本当に●●●●●いとは... さすが、伝説の殺し屋・ファブルだ!

岡田さん始め、木村文乃さん、佐藤浩市さん、山本美月さん、好井まさおさん、佐藤二朗さん、光石研さんと、最高の演技バトルロイヤルだったが、個人的な好きだった2人が安田顕さんと、柳楽優弥さん。義理人情のヤクザの世界で上と下であるという関係・絆が良かった。あと、静かなる凶気の安田顕さん。でも、ある人の前で震え上がる病院でのシーンは、両者とも(演技でも)エグかった!あと、まさしく動き漏れ出す狂気の柳楽優弥さんの狂な演技がピカイチで、前半は主役喰いのインパクトだったし、後半の血塗れで暴れ回る彼の姿は、猛獣だ!砂川(向井理さん)との因縁バトルも最狂だった!そして、ラスト前の安田さんと柳楽さんのシーンは、心が焼けそうになる、2人の関係性を表した “響” なシーンだった!
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