ちろる

赤毛のアン 卒業のちろるのレビュー・感想・評価

赤毛のアン 卒業(2017年製作の映画)
3.6
あの子のいない日々をどうやり過ごそう?
前は静かな生活が当たり前だったのに小鳥の囀りのようなアンの声が今は遠くて、マシュゥがまた無口になってしまった。

気楽な少女時代は終わり、進学のこと、家族のこと、友だちのこと、そして恋のこと。
いろんなことに思いを巡らせなければいけない時がアンにも訪れた。

特に、大切な人との永遠の別れは覚悟をしてても耐えがたい。
「さようなら、心の同類」

ジョシーのいじわる具合がこの、卒業編でいきなり強くなってるけど、そんな厄介な友達も含めて、彼らとの時間は愛おしい。

いつまでも子供のままじゃいられないけど、自分にとって一番大切な人やものは自分がよく分かっている。
このあたたかいグリーンゲイブルズの風に吹かれてアンは次に歩む人生について、自分にとって最善だと思える決断をしていた・・・

最初はうるさくてイラつくほどに、おしゃべりだったアンがこの最終章では、沈黙も受け入れる大人の女性になっていたのが嬉しいような寂しいような・・・ 3部作ということで、このシリーズのアンにはもう出逢えないのはちょっと寂しいですが、原作の世界観を守り、アンとアンを取り巻く優しい人々の時間を見守られて、ずっと幸せな気分でした。
ギルバートととの恋は、なかなか急激に進まないけど、アンがギルバートのことを"ライバル"ではなく異性として意識し始める雰囲気が残されていたので、どうなるのか2人の進展は気になります。
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