綺麗に閉じた物語を広げようとすると綻ぶものなのだ...それでもヴァイオレットの幸せを思うと涙が止まらないのである
「sincerely」
結びの句から始まる物語は、失われたものを思う気持ちと伝えたい思いに満ち溢れたヴァイオレットの「あいしてる」が全編に詰まっている
最後に「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」とタイトルが大写しになる
お見事である
これは、差出人ヴァイオレットから私たちへの「あいしてる」を伝える手紙なのだ
京都アニメーションの繊細な表現だからこそ伝わる思い
「手紙」や「電話」とそれぞれの伝え方の違いとそれぞれの尊さが同じシーンで共存する素晴らしさ...完璧です
この劇場版は、ともすれば蛇足になってしまうエピソードである
そこに説得力を持たせる脚本の妙
これでヴァイオレットの物語が終わってしまうのは寂しいが、これほどまでに美しい作品で物語を締めてもらえたことはただひたすら幸せなことなのです