瀬口航平

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンの瀬口航平のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

観てきました。アニメ版と一貫して、愛について語ってくれてる。
少佐とのエピソードと並行して語られてる少年の手紙の話のところで、最後親友に手紙を書くのではなく、電話で愛を伝えるところが良かった。
手紙という伝達手段が少なくなって、電話に移行したとしても、人が人に正直な気持ちを伝える尊さは変わらない、時代を経ても消えることはないことを感じさせてくれた。

ヴァイオレットの少佐への気持ちはあまりにも強く、依存的なものなので、正直少佐生きてなかったらどうしてたんだろうとは思う。。

けども、少佐へ手紙を渡して、船に乗り込んだときのヴァイオレットは、あ、もう少佐いなくても大丈夫かも、と思わせる感じはした。
それでも少佐が追いかけてきてくれたから、最終的にはああなったけども。

少佐が生きていることが、彼女の生涯ずっと耳に入ることがなくても、生きてることがわかっても、決して会うことを許してもらえなかったとしても、それでも彼女は前を向いて、少しずつ少しずつ自立の道を進めていたかもしれない。たとえ少佐のことが忘れられなかったとしても、それを抱えながらも、愛のある豊かな人生を歩めていたかもしれない。
そんな風に思えるぐらい、彼女はドールという仕事を通して人間として成長したように感じる。

いや、でも結末はとても素敵だと思うのでこれでよかったと思います。
あれだけ少佐のこと好きだったのに、めちゃめちゃ好きで泣きすぎて少佐に直接愛してるが言えないのとかすごくよかった。
少佐の彼女への愛も、親みたいな愛なのか一人の女性として見てる愛なのかはっきりしないけど、そんなもの遥かに超えてる感じがしてて、どんな愛かとかどうでもええな、って思わせてくれるぐらい、ただただ愛でした。ただただ素敵でした。

切手にヴァイオレットが載っていて、それが彼女の死後も残ってるのとかも素敵。

あとあの博物館のおばあさん、カトレナさん?じゃない?名前言ってないけど。目がなんかそんな感じした。

作品とは関係ないけど、あんな大変なことがあった京アニが、こんなにも美しく、世界を丸ごと肯定してくれるような作品を作ってしまうその器量の深さというか、素晴らしい精神性に感動した。

あんなことがあったからこその美しさなのかもしれないな。。

これからもたくさんの作品に期待してます。素敵な作品をありがとうございました。
瀬口航平

瀬口航平