ショタイト

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのショタイトのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

テレビシリーズおよびスペシャル版は近年のアニメーションの中でも屈指の名作。

完結版に相応しい綺麗なラストだった。自動手記人形という職業がなくなった近未来にてテレビシリーズでも屈指の泣き回といわれる第10話に登場したアンの孫娘が追憶するという形式も色々と想像させていいね。

劇場版という尺の都合上仕方のない部分もあろうかと思うのだけど、物語はやや駆け足。ギルベルトの精神的な変遷があまりわからないというか、心変わりが早すぎて少し「ん?」と疑問マークがついてしまった。その程度で奮起するならとっとと故郷に戻ればよかったのに。お母さんが少し不憫。この想い人が汽車で行ってしまう(船だが)→猛ダッシュっていう流れ、ベタ過ぎてどうなんだろう。見飽きたというかだったらもう少し前に走り出してくれと。

ユリスの話はもう少し掘り下げてほしかったというか、ストーリーギミックとして見えてすぎてしまうのは卑屈すぎるのかな?ユリスと家族、友人の交流にもうちょっと時間かけてほしかった。『転』の役割を担わせるには少し荷が重い気がした。

期待値が高かっただけに手放しでは褒められないけど、原作付きだし、上映時間的にも仕方なかったのかな。前後編に分けたらどうだろうと思ったけど、そうすると冗長になりすぎるか。

書いてて無意識に自分があの痛ましい事件を想起していることに気づき、意図的に辛口にしている気もする・・・。事件の影響でどうしても下駄を履かせてしまうけど、フラットに見ないとなぁと。葛藤だ。

テレビシリーズも含めて素晴らしい作品をこのクオリティで美しく完結させたことは賞賛に値します。スタッフの皆さんお疲れ様でした。
ショタイト

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