白石監督のメリハリのないモヤモヤ演出は想定内。
驚いたのは香取慎吾の余りに華の感じられない汚さと演技の振幅の狭さ。
ギャンブル狂いで恋人のへそくりをくすね、その親父さんが工面した大金迄もどぶに捨てるようにつぎ込むクズ男という役柄だったとしても、それにしてもスター性のない本当のクズ男オーラ・・・。
とはいえこちらがイライラするくらいのクズっぷりだったので、ある意味役に徹し切れていたと言えるのかもしれないが、はっきり言って専業俳優の演技レベルには満たないし、西田尚美が呆れながらも付き合いを続ける何らかの良さが一つもにじんでこなかったのは、やはり主役としては失態だったように思えてならない。
義理の娘（ではないけれど）が慕っていたというのも全然納得できなかったしね。
それに加えてストーリー的に殺人事件の動機もよく分からなかった。
犯人に関してはなんとなく一番あり得なさそうな彼が怪しいという予感があったにしても、実際逮捕となった際に何の説明もなかったのでなんだかなぁ。。。。
ラストは小さいながらも大団円とはなったけれど、「都合のよい予定調和的どんでん返し」過ぎて、鼻白む気持ちが強くすんなり良かったとはならず仕舞い。
まぁそんなところですかね。
