土の中からこんにちは太郎さん

ドクター・スリープの土の中からこんにちは太郎さんのネタバレレビュー・内容・結末

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

説明が無い"僕アカ"
その説明が欲しかったんだけどなあ…。
映画であるが故に場面で見せてなんぼ、なせいで個人毎の能力や心情と背景がわかりづらい。
小説(文字)ならこの辺が全く違ってくるのだろうけど。
結果、特殊な能力を持っていても暴力で問題なく対抗出来てしまえる筋書きにならざるを得なくなってエンタメとして地味。
キューブリック監督の"シャイニング"って象徴的だったんだな、と思った。
非凡な能力=万能ではなく非能力者でも戦略次第で有利に持ち込めるという展開は、個人的には好きか嫌いかで言えば有り。

悪の集団トゥルー・ノットが格好良い。
清潔でリッチなヒッピーといった雰囲気は、ビジュアル的にも設定的にも手強そうで且つ気兼ねなく軽蔑出来る。
悪役として画期的。
ただ、いざ戦闘となると残念なくらい弱い。
シャイニングを駆使する前に先手を打たれてあっという間に退場させられてた。
あんなにイキってたのに…。
本編で狩りに触れているけど、これが悪役として更に情けない雰囲気作りを手伝ってる。
肉食獣どころか、草食獣よりも呆気ないという印象に結びついて個人的に要らないエピソードだと思った。
緊張に緩和が用意されてるからこそ、エンタメではハラハラドキドキ=楽しい、になる。
でも緩和への振り幅がすごくて、緩和というか脱力&拍子抜けで『ドキドキ返して』とすら思う。
この辺のバランス配分を、シャイニング持ち&数相手だと道具だけではこちらの体力が削られる→まとめてオーバールックホテルの面々と潰させ合おう、という展開ではダメだったのだろうか?
ダメだったんだろうなぁ…。
生まれ持った能力を善と悪どちらに活用するか、を伝えるためには。
キング御大は偉大である(白目)