確率的映画鑑賞者

ドクター・スリープの確率的映画鑑賞者のレビュー・感想・評価

ドクター・スリープ(2019年製作の映画)
3.5
Filmarksさん主催の試写会で、鑑賞しました。
2時間半という長さを感じさせず、終始わくわくして見れました。しかし、もっと深みのある作品にも仕上げることもできたし、怖くもできたんじゃないかなぁという点、そして腑に落ちない点もかなりあったため、最終的には及第点といった感想です。その点は、プロモーションや本作の原作から映画「シャイニング」という歴史的傑作を意識しすぎて、期待値が高すぎたのかなぁ(偉そうに言ってますが、原作小説は未読です)。。。

とにかく、ストーリーラインの根底にある光と闇の対決という描き方がすごくうっすいなぁと感じさせられる映画でした。アブラという圧倒的なシャイニングを持つ女の子がいて、終始きらっきらっのシャインなんですよね。そこかしこに闇落ちする伏線も垣間見えたし、スターウォーズシリーズでオビ=ワンを演じたユアン=マクレガーがいたこともあったことで、考えすぎたのかもしれないが、、、さらに闇には闇の道理を示すシーンもあり、自分は結構感情移入してみてしまったこともあり、とにかく浅い勧善懲悪ものに成り下がっている点が、非常に残念だったなぁと。このせいで、見終わった後の一言目の感想が、俺はホーム・アローンでも見せられたのかなぁと思わされたほどでした、ちょうどクリスマスも近いし。。。。。

ホラー映画という点では、終始一貫なにも怖くなかったのが期待外れでした。結局、キューブリックの「シャイニング」の続編であることを意識しすぎたあまり、思考停止に陥り、粗悪品としての再現映像ばかりが際立っていたからだと思います。恐怖どころか、一周回って最後は笑い出しそうになるほです。恐怖って結局2回見せられれば、怖がられることってないんですよ(有名な例でいえば、ネットのおもちゃになってる「It」の最初のシーンとか)。その2回目を本気でやっても、恐怖じゃなくて滑稽さしかないってことになんで監督初め製作者は気づかなかったのかなぁ。映像も本当に申し訳ないけど、粗悪品としか言いようがないくらい色々安っぽいところが多かったです、特にホラーシーンは。

その他感想としては、シャイニングってこんなんだったの?とか、黒人シェフのハロランって重要な存在だったり、オーバールック・ホテルってそうだったの等々、映画版「シャイニング」だけでは頭がおっつかなくなる点も多数ありました。この映画って、原作の「シャイニング」のファン向けなのか映画の「シャイニング」のファン向けなのか、誰に向けられているんだろうかって点が散漫になっているんじゃないかという強い疑問が浮かんでなりませんでした。どうせ後者向けなんだから、最近だとMCUがやるみたいに、最初に説明的ムービー入れてもよかったんじゃね?とは強く思いました。

ここまで中身について、偉そうに語ってますが、この映画で強く言いたいのは、レベッカ・ファーガソンがめっちゃ綺麗でしたということです。メンインブラックは本当にちょっとしか出なかったので、じっくり拝めるシーンが多くて本当に良かったです。あわよくば、原作のウェンディよろしくジャック・ニコルソンに追いかけられて、ギャーギャー叫んでるシーンとかも見たかったです(笑)。