きんのじょう

トーク・トゥ・ミーのきんのじょうのネタバレレビュー・内容・結末

トーク・トゥ・ミー(年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

とても気に入ったので二回映画館行った。

降霊に使う「手」のビジュアルがやばくて、
使い方も気持ち悪く、公開前から絶対観たい!と思っていた。
本編で明かされる、霊媒師だかの本物の腕をエンバーミングしている、
という由来もかなりやばくて呪物として最高
海外では置物販売していたらしい。すごく欲しい。

初っ端から兄を刺す弟、その後の自殺とショッキングなシーンで始まり、
その時点でグッと掴まれてしまった。

何がいいって霊がちゃんと怖い。
特にミアの部屋の角の暗がりから
ぬるっとあらわれる幽霊のいやさと言ったらなかった。
映画館で見ると霊が歌っているシーンも
その方向から音が聴こえはじめる感じでとてもよかった。

ライリー(友達の弟)が本当に本当に
痛々しくてかわいそうでなかなか辛かった。
ジェイド(友達)もスー(ジェイドとライリーの母)も
すごく優しくていい人たちなので、
ずっと無事と幸せを願ってしまった。
最後ライリー回復しててとても安心した…。

ヘイリーたち降霊会主催の悪ガキたち、
騒ぎになった時点でバックレちゃいそうなのに
ちゃんと「手」の前の持ち主の兄にミアたちをつないであげたりと
かなりいい奴らだな…と思った。

ミアに関しては、まぁあまり褒められた言動ではないが、
十代でお母さんをおそらく自殺で亡くした少女、と思うと
精神がかなり不安定になってしまうのは仕方ないのではと思った。
なにより彼女はしっかり自分でツケを払うので…。
逆に一人残されてしまうお父さんがとても気の毒…。

自分としてはミアにいろいろ吹き込んだ「お母さん」は
幽霊の化けたニセモノだったと思う。
自分の聞き間違いでなければ「彼女」が出てくると
ゴポゴポと水音がしていたように思う。
ミアの母の死因に水は関係なかった。
でもミアが最初におろして規定の時間を過ぎてしまった霊は
溺死の霊ではなかったか…。
母に自殺(疑惑)され精神が不安定な少女が
霊につけ込まれてしまった、が最後はなんとか踏みとどまって
ライリーだけは助けたのかな、
という風に自分は受け取った。

死んでしまったミアから生者の世界がどんどん閉ざされていって
真っ暗になり、やがてろうそくの明かりが灯って…
のラストすごく好き。

あと、序盤のライリーを車で迎えに行って、
車の中でミアとライリーが
Sia の Chandelier を熱唱するシーンもなんだかとても好き。

いいホラーを観たなぁとなれる映画だった。