きんのじょう

梟ーフクロウーのきんのじょうのネタバレレビュー・内容・結末

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

レビュアーさんと友人の感想に後押しされて鑑賞。

すごく面白かった。
話が二転三転してもずっと主人公のギョンスが絶体絶命で、ハラハラしっぱなし。緊迫感の演出がすごくうまい映画だった。
ギョンスの弱い立場だからこその「見て見ぬふり」と、身体的に「盲目であること」(実際は全部見えないわけでなく明るい時はよく見えず暗い中では見える)がかかっていて、クライマックスのギョンスのセリフにもつながっていてうまいなぁ…となった。
梟というタイトルにも納得。

主人公でも正義感の塊!という感じでもなく、己の命や家族の命・立場などを守りたい気持ちと、若殿からの真摯なお願いを叶えたい・王の所業を質したい気持ちとのせめぎあいがあるのがよかったな。

世子の亡くなり方が本当に辛い…。
世子嬪も…。若殿は生きてくれたけど両親を祖父に殺され島流し…辛い…。
宮廷劇って本当に「いい人」は死んでしまうか失脚してしまう…。

ただ、だから国王が本当にひどくて悪い王でどうしようもないだけか、と言うと、きちんと大国清からの圧力や軽んじられている屈辱の描写があって、国内でも領相との駆け引きもあって、国王の立場の辛さや心理的負担の大きくて、そりゃ心が壊れもするよな…となってしまった。
最終的には狂気に囚われ誰も周りにいなくなってしまった王もまた哀れだった。王宮に一人残されて喚いているシーンが印象的だった。

ギョンスに色々教えてくれるマンシクさんがコメディ枠のかわいいおじさんで、事情を知ってもギョンスをすぐ信じてくれて、とても癒やしだった。