2020

マチネの終わりにの2020のネタバレレビュー・内容・結末

マチネの終わりに(2019年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

●幸福の硬貨ならぬ、トリビュートアルバムという幸福の円盤が幸せをもたらしたのかな?と。
師匠に頭があがらないよほんとに。


●冗談いうシーンはほぼ福山雅治だった。笑

のに、繊細で気難しいアーティスト感が出てくるところにこの人ヤベェやつなのかな?感もあり、変にドキドキしながら見守った。メール送りまくってたり結構サイコだし。
気持ちが乗らないからと演奏を数年やめたり、人を楽屋前で待たせても気にならかったりめちゃくちゃ自分本位の気分屋なので、恋愛に対してもどこまで本気なのか伝わりづらい感じはあった。

●ああいうアーティストの人だからオラオラな感じにはなれないのかもしれないけど、昭和の男ならあれくらいのアンジャッシュのコントのまだ冒頭レベルのすれ違いなら本当に愛してるなら板谷さんに頼み込んで長崎の家を教えてもらうとかもっと待ち伏せ頑張ったりしてなんとか会ったり誤解を解く方法はいくらでもあったと思う。
ただ40歳も超えれば色々考えるだろうし、所詮2回しか会ったことがない人との一時の気の迷いということで処理をしたのかなと。やっぱり気分屋というか。

●石田ゆり子も結局伊勢谷友介に本気だったなら仕事を選んで20年の付き合いのままズルズルいってなかったろうし、グイグイ言葉巧みに口説かれても気の迷いも起こらなかったろうし結局結婚しなかったとしても別れていたのかなと。
テロにあったのはかわいそうだけど、あんなリアルに現実世界とからめてテロをストーリーに入れる必要があったのかな?とか思ってしまったりもした。
福山雅治演じる男性もいい大人が独身というところでもなんか恋愛には気難しそうな感じムンムンだったし、二人の恋愛をどこまで本気で信じればいいのかはわかりづらい展開と構成だった。
とか思ってしまったので、結局、マチネの終わりに再会したけども、1回またキスはしそうだけど、奥さんと別れてやり直すとか、本気の恋愛には発展しない二人のような気はした。


●そもそも携帯のパスワードを教えたのが意味わからんし、本人確認のためなら、他にやり方はあるはず。後日自分で行こう。
あとは、師匠が倒れて動揺していたとはいえ真っ先に石田ゆり子にタクシーの中で状況を伝えるべき。


●アー写のヒゲのマッチポンプはすこし笑った。
大根監督のスクープのワイルドヒゲはかっこよかったけど、師匠のお葬式の鼻の下だけのヒゲはかなり似合ってなかったのでずっときになってたので。顎が増えるとまぁまぁなんだけどやっぱ違和感。眼鏡は似合う。カッコいい。


●思い出の庭の石の話で、過去は未来が変えるっていうのは最初は一瞬なるほどと思ったけど、
結局楽しい過去は楽しい過去で存在して、プラス悲しいエピソードも加わった、というふうに思えてしまうタイプの人間なのでなんかようわからなかった。
言いたいことはわかるからこのモヤモヤはスルーしたけど、わりとこの作品の背骨の概念なので、なんかもっといい表現はなかったかなと。

●全編音楽が素晴らしくて、話が面白くないわけではないんだけどゆったりとした2時間半くらいの作品に長く感じられた。
これは不思議な体験。
音楽はとてもいい。サントラほしい。

●水の使い方で遊んでくるなぁと。
タイトルを消したり、癒しとして気持ちを落ち着かせるために飲んだり腕のケアに使ってたり、怒りや慟哭にも使ってたり
(一回手が血だらけになったと見せかけてなってないスカシはどう受け止めればいいのかなとは思った。あー、そこまでいく手前で理性で気持ちを押し殺した、手を守った、今は気持ちはギターに向いている、等という事なのかなとは思ったけどあってます?)
あとは怒りにまかせてぶっかけるかと思わせてかけなかったり。
雨も色んな感情を表現する水の演出。
水の呼吸ですね。。


●最後、福山雅治の表情で会場に来てることは伝わるから、客席にいる石田ゆり子に辿り着くまでのロングパーンは長かったな。笑
あれは空席の時にやる撮り方のような。
もうカットバックでいいような。
空席にしてあえて演奏は見ないけど、会場の外には来ていて、また嫉妬するのが嫌だったからみたいな事を言わせてセントラルパークでサシでストリートで演奏してあげる、、、みたいなパターンの演出でも良かったような。

●客席にハゲてる人がいるとハゲが悪いわけじゃ全くないけどなんか色味的に目線が散らかってしまう。これは私が悪いのですが。同じく黒髪の人が多かったので金髪の人がポツポツいたのも同じく目線が散らかってしまったなと。ニューヨークだから色んな人種を散りばめたいのはわかりますが。とにかくこれは自分の目の性質を何とかしたい。


●ニューヨークのホームパーティーのシーンが再現ドラマでよくみる顔ぶれの人がいたので東京やないかーい!と思っちゃう。それは知りすぎた私が悪い。申し訳ない。

●最後の演奏会場のオーナー?が、時間オーバーしてるよ!みたいな動きのカットはいらなかったと思う。
それよりは、あの傷ついた同僚を癒した曲を一回かませて石田ゆり子を笑顔にさせてからの幸福の硬貨の演奏にすれば良かったのになぁとか。

●元カノ?と今嫁のラストバトルの時に、男一人を奪い合う女二人のダンサーたちのインサートが露骨すぎてダサいと思った。


●なんか、もうそもそもだけど、マチネのラストに石田ゆり子の存在に気づくのがもうおかしいし(絶対そこまでに会場見渡して探すだろうし。)座席は用意してるけどなんか微妙な席やし。やりすぎかもだけどマネージャー、謝罪の気持ちがあるならせっかくなら2階席のどセンターとかにしてあげればいいのにとは思った。笑


●文句みたいなことばかり書いていて申し訳ないんですが、作品が悪いとか面白くないとかでは全くなく、物凄く自分が主人公だったら、監督だったらこうするのに!!と作品に入り込んでしまった結果の思いなので悪く思わないでください!!

●とはいえ謎の玉木宏の奥さんの使い方。
あの役はもっと無名な人で良かったような。謎に妊娠もしてたし。
まーでも、久々に会ったらなんかいつも妊娠してる人ってたしかに自分にも知り合いにいて、そういう人っていつも幸せそう。
プライベートがうまくいってない人たちとのコントラストを出すための役なんだろうなぁ。

●マネージャー役の人ははじめて見たけど絶妙に猟奇的な感じだったので良かった。

●ジャーナリストの役ならもっと石田ゆり子にも言葉や文章で気持ちを語るシーンを入れてほしかったのもある。
仕事もプライベートもかなりひどい目にあっていて救いがない。
就活シーンのジョークもなんか虚しいというか。これは私が役どころに意味を求めすぎなのかな?
たしかに美人だけど、この作品にはお花として存在していればいいというような印象。
女性監督が撮っていたならもっと違う見せ方で、もっと人としても惚れてしまう女性として見せてくれそうな気はした。

●大人の見た目をした子どもの不器用な恋愛映画という感じでした。
本気で惚れた人はどんなことがあっても絶対に離してはいけない!!
そういう意味ではあのマネージャーの執念はある意味では見習うところがあるし、一番自分の気持ちに真っ直ぐだった。
嘘をかかえきれず真相を話してしまうあたりも人間味があって。絶対ダメなことだけど。


後で書く。
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