めしいらず

15年後のラブソングのめしいらずのレビュー・感想・評価

15年後のラブソング(2018年製作の映画)
2.8
長年共に暮らすパートナーに違和感を覚えてしまった女と、これまでの出鱈目な生き方を悔いている元有名ミュージシャンの男が、ちょっと風変わりな出会い方をし次第に惹かれ合っていく。物腰の落ち着いたトーンと耳障りいいBGMが心地良い。二人が些か性急に距離を縮めようとしているようにも見えるのも、それなりに年齢を重ねた者同士の心情的なリアリティがある。聞き分けの良い息子が物語の清涼剤のように爽やか。ただ主人公がパートナーとの15年を無駄な時間だったとミュージシャンに打ち明けてしまうのが俄かには受け入れ難い。確かに彼は猪突猛進で子供っぽい人物であるけれどそれは最初から織り込み済みの筈。そもそも恋人関係が二人の間の感情的な紆余曲折を経て続いてきた筈なのに、その責任を相手にだけ押し付けるような彼女の態度は私には気持ちが追いつかない。だからパートナーの浮気が発覚するのが物語上の辻褄合わせのようで如何にも安直に見えてしまう。まあ人は実際そんなもんなのではあるけれど…。主人公のパートナーがミュージシャンに心酔する余りに色々しくじってしまうのはファン心理として理解できるところ多々。彼は最後まで自分都合でしか物事を見られない。
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