このレビューはネタバレを含みます
僕は好きな作品でした。
好きと言っても、内容で描かれた事ではなく、映画としての映し方がです。
邦画はあまり見ないのですが、この作品は話題になっていたので、たまたま見たのですが、いや参りました…。
内容は重い内容を扱っていて、よくぞ日本で、このような映画を撮ってくれましたと言いたいです。
ポン・ジュノさんの助監督をなさっていた片山さんが撮っただけあります。
人間の、今の社会の悪い部分というか、見方が描かれているような気がしました。
何かが欠けている人は、それだけでリスクが伴うのが、世の中しかり、人の見方だと感じます。色眼鏡というやつでしょうか。
この作品の中で、そういう人がいる一方で、ちゃんと生活している人がいて…。
その意識、考え方を逆手に取ったような台詞もあり、そこで見ている側も巻き込まれるような感覚は、グサッときました。
また、この作品でしか、あの濡れ場の写し方はできなかったでしょう。
相手がふっと変わるあの感じ、さすがです。
また、結末について。
普通に見ると、また電話がかかってきて、繰り返すのかと感じます。
が、彼女は死んでいて、電話は死んだと伝えるものだと捉えると、より残酷な気もします。
兄が知っている彼女は死んだという表現に繋がる気もして…。
こうやって、色々と考えさせられる映画、僕は大好きです。
見た後に、どんな形であれ、こびりつくような。
衝撃的な時間でした。