シミステツ

岬の兄妹のシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

岬の兄妹(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

障がいを持つ兄妹。自閉症の妹が身体を許し金銭を受け取っていた事実。貧困がもたらす悪。売春の斡旋。

真理子にとって図らずも仕事が生きがいになっている様子なのも辛いし、独り身の老人や小人症の青年などのひと時の救いになっている側面も描かれているのが、善悪を複雑にさせている。
暴力や鎖で繋ぎ止めること、売春の斡旋…もちろん良くないことだし悪の暴走として許されないことだけど、それ自体を個人に帰結させるのではなくて、我々観ている側、社会全体として、ここまでの極度の貧困・弱者の立場だったらどう生きるか、死を選ぶ人もいるだろう中で「そうせざるを得ない」生活に堕ち生きる弱者についてもっと考えていかなくてはいけない問題であるとも感じた。
遊園地で走り回る夢、妊娠している妹の腹を狙うシーンは観ていて辛すぎた。