これが90年代の姿
ジョナ・ヒルが監督・脚本を務めた青春ドラマであり、1990年代半ばのロサンゼルスを舞台に、スケートボードカルチャーと少年の成長を描いた作品。ヒルは自身の経験や思い出を基に、この時代特有の雰囲気をリアルに再現し、90年代に青春を満喫した者たちに送るラブレターそのもの。ジョナ・ヒルの新たな才能の開花。
魅力の一つは、その時代背景を忠実に再現したビジュアルと音楽、そして独自のポップカルチャー。VHSの質感を再現した映像や、90年代のヒップホップやパンクロックが流れるサウンドトラックは、観客をその時代に引き戻します。冒頭、スティーヴィーが着ているTシャツが『ストリートファイターⅡ』であるように、細部にまで90年代へのリスペクトを感じました。
単なるノスタルジー映画にとどまらず、友情や自己発見、家庭内の葛藤といった普遍的なテーマまでリアルに描写。90年代を知る世代には懐かしさを、若い世代には新鮮な驚きを。これまた一味違う青春映画でした。
強く生きろよ、スティーヴィー。
2024.7.12 初鑑賞
