ノラネコの呑んで観るシネマ

mid90s ミッドナインティーズのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.4
タイトル通り、90年代半ばを舞台としたノスタルジー系青春映画。
歳の離れた兄に虐められている主人公が、イケてるスケボー仲間と出会い、様々な経験をして成長してゆく。
ジョナ・ヒル監督ゆえもうちょっとポップなものを想像していたが、かなりしっとりした作品。
ジョナ・ヒルが83年生まれだから、主人公の少年は彼の分身と言って良いのだろうな。
それぞれに訳ありのスケボー少年団だが、特に大きな事件が起こる訳ではなく、スタンダードの小さな画面に閉塞した、クソみたいな日常を描く私小説的な物語。
しかし13歳の少年の頃に見て感じたことを、大人になった今になって物語に落し込んだことで、シングルマザーの母や兄(異父兄弟?)との関係を含めて、味わい深い話となった。
中でも母と大喧嘩した後、スケボー少年団の先輩が語る言葉は名言。
ドンピシャにハマる楽曲のプレイリスト、時代感を強調する荒い粒子の16ミリフィルム映像など、テリングも丁寧に考えられている。
本作もまたマジックアワーの情感が素晴らしい。
こう言うのはやっぱ、アメリカのインディーズ映画ならではのテイストだなあ。
ブログ記事:
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