このレビューはネタバレを含みます
面白い!
凄く好きなテイスト!
観ててどこか懐かしさを感じれる、ノスタルジー溢れる、少年の成長を描く青春ムービー。特に何か凄い出来事が起きるわけでは無いんだけど、何故かずっと観てられる日常感が良い。
映像のタッチがちょっと荒い感じと、画面の幅が通常より狭い感じが凄く時代背景に合ってて良かった。冒頭のスケボーで作ったA24もいかしてた。一瞬分からなかったけど笑
冒頭の、スティービーが兄のイアンにぶっ飛ばされるシーンはビクッとした笑。あそこまで体格差と年齢差がある弟にあんな事するなんて酷いよね。まぁ、後半を見る限り、イアンはイアンで悩み事だったり、辛いことが有るんだろうけど。それをスティービーにぶつけてるんだろうな。でも、あんなに打たれてるのに、誕生日にはちゃんと下調べまでしてプレゼントをする辺りが、スティービーめっちゃ良いやつだよな。
イアンの部屋に入っていろいろ探検?する感じすごく分かる。普段は入れない未知の世界的な。俺の場合、父親の部屋にたまにあんな感じで入ってた。別に入るなとは言われてなかったけど。
スケボー仲間たちのあだ名がみんな面白過ぎた笑。フォースグレードも面白いけど、fuckshitって酷過ぎない?笑
レイめっちゃ良いやつ。頼れる兄貴って感じで人格者。スティービーが落ち込んでる時の2人のシーンは凄い良かった。辛い時って、皆自分が世界で1番不幸だって思いがちだけど、意外と他の人のクローゼット開けてみると、もっと酷かったりするんだよね。ここのクローゼットの言い回しも好き。
何でか分からないけど、この映画で1番好きなシーンは、レイがスティービーの為にスケボーを作ってあげてるところ。構図と音と光の入り具合が凄く良い。観てて心地よかった。
終盤の車のシーンは、いやーこれ事故る匂いプンプンしてるなーって思ってたら、案の定そうなってしまった。しかも、事故る瞬間の演出が凄く衝撃的だった。フォースグレードの驚きの顔と共に一瞬光って、本当に事故に遭う瞬間って感じがしてリアルだった。
エスティーとスティービーが良い感じになるシーンはびっくりした笑。エスティーが何歳か知らないけど、側から見たら犯罪になりそうな年の差感がある笑。でも、あの年でのあの経験を出来たスティービーは、世の男からしたらスーパーヒーローだよね笑 ナイススティービー笑。
お母さんは、自分が昔同じ様な人達と連んでたからこそ、余計にスティービーの事が心配なんだよね。昔はどうか分からないけど、今は凄く息子思いの良いお母さんだと思う。
今作では全く描かれてないけど、お兄ちゃんのイアンはイアンでいろいろ抱えてるんだろうな。苦しみをつい弟ににぶつけてしまいがち。それも、もしかしたら自分が子供の時と今とで、デブニー(お母さん)が全然違うってのも有るのかな。イアンがスティービーぐらいの時はあまり愛情を持って接して貰えてなかったのに、何でスティービーだけって。でも、イアンは本当は心優しい良いやつで、スティービーの事も好きなんだよな。2人でゲームしてるシーンも病室のシーンも好き。あのサイズのオレンジジュースよく入ったね笑。
一番好きな台詞は、スティービーがレイに言った、”What’s black people?”. そうだよね。人間に黒も白も無いよね。スティービー分かってんじゃん。
最後に、フォースグレードが撮ってたショートムービーを持ってくるところも良かった。てか、普通にムービーのクオリティーが高い笑。是非良い監督になってくれ。
良い映画だった。