塩

mid90s ミッドナインティーズの塩のレビュー・感想・評価

4.0
涙目になりながら吸うタバコも、弱いくせして無理に呑む酒も、全ては数年先のあの頃になる。

中学生からしてみれば、高校生がひと回りふた回りと大人に感じるもの。
彼らの素行や取り巻く環境全てが、どれも輝いて見えてくる経験は誰しもあるはず。

どんな人物にも背景があって、背負うものは誰一人として同じじゃない。
今が最低ならそれ以上悲惨に向かうことはない。躓き転んで泣きべそをかいていても、手を差し伸べてくれる存在がいる。背中を押してくれる存在がいる。共に歩んでくれる存在がいる。それだけで十分、最低なんかじゃない。
紛れもなく辛い「今」を、いつか笑顔で「あの頃」と呼べるように。

当時のカルチャーが詰め込まれた、最低で最高の作品でした!
塩