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サンセットのandardのレビュー・感想・評価

サンセット(2018年製作の映画)
4.2
素晴らしい、感動。
太陽の光、ロウソクの明かり、暗闇、光がとてもきれい。
騒音、遠くで聞こえる音、雑踏の話し声、通り過ぎる虫の音、主人公の動きに合わせた変化が丁寧につけられている。
途中で伯爵夫人が襲われるシーンのバイオリンの音がBGMにも聞こえるけど、後で子供の練習だと分かる。
何よりセット、よくも作ったなと思う。素晴らしいのは、それらをこれみよがしに映さない潔さ。何なら背景としてぼんやりとしか見せない。最後の戦場のシーン、5分もないけど、そのためにセットを作り、モブを雇い、雨を降らしたのかと考えるとよくもまあと感動する。


ストーリーは、兄を求めて、主人公があちこちに突っ込んでは問題を起こしながら進んていく。
主人公がする選択は大体が、何でよりにもよって、そっち行っちゃうの?というものばかりでかなりイライラさせられる。
主人公が一切空気読まずに自分の探す物のために突き進むのは、サウルの息子と似た構造。
探しても探しても居ないから、最後は自分がそれに成り代わる、という皮肉な展開も良い。

あれだけ華やかなだった世界が、一気に皆が泥まみれで戦場に居る世界に、変わることを人類は何回か経験している。
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