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ある画家の数奇な運命のギャスのレビュー・感想・評価

ある画家の数奇な運命(2018年製作の映画)
3.4
戦争とナチスの犯罪を奥底の背景にして、
ドイツから、東ドイツ、西ドイツの風景の中「ある画家の数奇な運命」というタイトルそのままの物語が展開される。
実話を元にした映画はエピソードの羅列になりがちだが、これはとてもエンタメ的なまさに数奇であり最後まであっという間だった。
どこまでが本当なのか知りたくなる。

ネタバレ
ナチスにとっての美術の意味、東ドイツでの美術の存在意義がそれぞれわかりやすくそして危険だったのが、新鮮に感じた。
そこからの、西での美術観の自由さはとにかく楽しく眩しくて。彼が自分を見失うのも理解できるほどに。
しかし、自分の"根っこ"から湧き出す表現にたどり着くきっかけとなった先生の話もかなり強烈でとても説得力があった。
タイトルの原題は、台詞の中にもあった「作者なき作品」だが、確かにこれだとちょっと意味がわからないかもしれない。

追記
観た後に、これを読んでとても参考になった。
http://indietokyo.com/?p=14077
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