Carly

ある画家の数奇な運命のCarlyのレビュー・感想・評価

ある画家の数奇な運命(2018年製作の映画)
4.0
こんなに静かな作品なのに3時間…嘘でしょ…?そんなに体感ないよ、ってなったのは本当に久しぶり。すごい。
叔母の辿った運命を彼は最後まで知らなかった筈なのに、知らずのうちにその輪郭をなぞるように生きていく。運命の悪戯だろうか。
脂とバターの話がとても生々しくて自然と涙が溢れた。生死を感じるような体験は人の心にひどく大きな影響と深い傷痕を残すのだ。あの教授の言葉の一つひとつが、戦争の真実を物語っていた。
クルトが作品を作る過程がよく描かれているのも良かった。前に別作品でオートクチュールがメインテーマにも関わらずそれを作るところがぜんぜん映らなくてひどくがっかりしたことがあるから。絵を描く姿も物を造る姿もとても美しい。わたしはこれが見たかったのだ。
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