もう

薄化粧のもうのレビュー・感想・評価

薄化粧(1985年製作の映画)
4.0
わたしにとっての日本の代表的な俳優は、高倉健でもなく、渡辺謙でもなく、緒形拳であります。

本当にひどい主人公。
金、女を欲情し、邪魔になった者は殺す。
自分を馬鹿にした者は殺す。

「民主主義やで!民主主義!」
緒形拳さんは迫力が違います。
もう、悪を絵に描いたようです。
しかし、とても弱い悪です。
気の弱さが本質にはあると思いました。

なので、一度逮捕されましたが死刑を恐れ自殺を図ります。
それも未遂に終わり脱獄するのです。

映画の後半は主人公坂根の逃亡生活。
悪を封印して真面目に働き目立たなく暮らし、愛する女性とも出会います。

前半の悪行からしたらとても同情などできませんが、束の間の幸せに身を委ねる二人を見ていて切なくなりました。
もう

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