このレビューはネタバレを含みます
混乱する時代を背景に、ある中流家庭に仕える家政婦の姿を描いた作品。
白黒で淡々と進行していくにも関わらず、とても情感豊かで美しい。
女性だからこそ味わう困難、苦悩が女主人と家政婦それぞれに待ち受けているけれど、そこから立ち上がり前を向く姿が逞しい。
ラスト、波に飲まれそうな中、恐怖に打ち勝ち子供たちを救うシーンにはその逞しく生きる姿が重なり、静かな感動で胸が満たされる。
激動の時代に翻弄されながらも、家族だけは揺るがない。その絆の強さに心打たれる素晴らしい作品でした。