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ROMA/ローマのまるまるのレビュー・感想・評価

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)
4.0
なぜ白黒にしたし?
砂漠でないメキシコの空と海と山を感じたかったのにさー

は、おいといて。

「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督の自伝的映画だそうです。
と言うことで、なおさら味わい深くなっちゃったのですが、
ラストカットの屋上物干し台へと続く、長い粗末なスチール階段。
あれは何を意図して撮ったんだろうなぁ。
感謝?罪悪感?自己批判?憐憫?尊敬??
やはり、僕の感覚で言うと今は亡き祖母への無邪気な感謝と尊敬に似てるかな。

メキシコの歴史と、そこに生きた人にも気が回らずにはいられない一本。




話題作『ローマ』が映し出す、矛盾だらけのメキシコ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190208-00010013-newsweek-int
※上記記事より抜粋

本作は「社会や階級、人種をめぐる私自身の罪悪感の表れだと思う」と、キュアロンはバラエティー紙に語っている。「私は白人の中流階級のメキシコ人少年で、守られた立場にいた」
自分を育てて社会の実情を教えてくれた女性、リボ・ロドリゲスをモデルにした役を演じられる人物を求めて、キュアロンは1年以上を費やした。アパリシオに巡り会ったのは、3000人をオーディションした後だ。
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だが、キュアロンが特権的な白人の目線で先住民を描いていると批判する声もある。ニューヨーカー誌の映画評論家リチャード・ブロディは、『ローマ』は「アッパーミドル階級の知的映画人が労働者階級を描くとき陥りがちなステレオタイプ」にあふれていると酷評した。この手の映画に出てくる労働者は、「口数が少なくて天使のように純粋無垢で、自己表現をする能力も意思もないことが美徳のように描かれる」というのだ。
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リボは大泣きしていた。
※続きはどうぞご自分の目でw

https://ja.wikipedia.org/wiki/メキシコ
http://www.wikiwand.com/ja/メキシコの歴史
https://ja.wikipedia.org/wiki/ルイス・エチェベリア
https://ja.wikipedia.org/wiki/トラテロルコ事件
https://ja.interestrip.com/tlatelolco-massacre-1968
https://nsarchive2.gwu.edu/NSAEBB/NSAEBB91/


追記
暇に飽かせて、今日一日この映画について、ずっと考えてた。
前半ムナクソ悪いわ、結局のところ、犬が好きーなのと、召使が好きーのどこが違うんだよ?とか、ちょっとひねくれた観方をしていたからでして。
それと言うのも、かつて南北問題を扱った「ザ・ウォーター・ウォー」観て調べた時に、征服者側と被征服者側では、こんなにも受ける印象が違うのかと愕然とした経験があるからです。
なので鑑賞直後は、上記「話題作『ローマ』が映し出す、矛盾だらけのメキシコ」の記事で引用した「アッパーミドル階級の知的映画人が労働者階級を描くとき陥りがちなステレオタイプ」じゃねーかよ!的な想いがちょっとあったw
のですが、
同じく同記事中からですが、
監督自身、この映画は自伝という意識があり、また罪悪感という自覚もある。実際、映画の表現は家族的なそれではなく、殊更家族と召使の違いを強調してたように思う。なにより、モデルになったリボ・ロドリゲスが大泣きしたって言うなら、俺にいったい何を言う権利があるっていうのよ?とか思ったら、なんだか泣けて来たw
ちゃんと伝わってるって知れてよかった。
そんなわけで、スコア3.8→4.2
世界中、遍く人々が幸せでありますように。
切に。
切に。
ついでに、僕の腰もはやいとこ治りますように。
切に切に
まるまる

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