ちろる

無限ファンデーションのちろるのレビュー・感想・評価

無限ファンデーション(2018年製作の映画)
3.7
即興劇をさせるという手法の撮影方法らしいので、妙な生々しさがある。
ガッチリ固められた脚本ではない故に、無駄なやり取りのシーンとかも結構あったのだけど、普段の会話ってこういう感じで、無駄なやり取りの中に真実の言葉が生まれ始めるのだと思う。
人気のないスクラップ工場で、未来は小雨に胸の内を初めて吐露して、そうしたら小雨はそんな未来を褒めてくれた。
その時外は雨が降っていて、そんな2人を優しく包んでた。
夢見る女子高生の不安と希望を描いたストーリーだったけど、個人的に好きなのは未来とお母さんがお互いに夢を語り合うシーン。
自分が密かに抱えた「夢」を打ち明けるのって家族でも、いや家族だからこそとても勇気がいる事で、お母さんも秘めた夢があったことを娘に打ち明けられて、幸せそうで、ちょっとウルっときた。
みんな自我を通したくても通せない。
でも誰かに迷惑かけても夢を叶えたい。
その繰り返しで行ったりきたしてる。

色んなジレンマの中で時には人に辛く当たったり、投げやりになってぐちゃぐちゃになることもあるけど、夢を叶えようとするそのエネルギーは誰にも責められないよね。
ラストの小雨ちゃんの優しい歌声が泣けて泣けて仕方なかった。
学生時代に立ち止まってた先生もきっと動き出せたはず。
初めの方はちょっと退屈な気がしたけど、ラストでだんだん追い上げてきて結果的に観て良かった。
そんな風に思えた青春ストーリーでした💕
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