ゲタ

ラストレターのゲタのレビュー・感想・評価

ラストレター(2020年製作の映画)
3.2
『しっとりした和歌のような、そんな』

裕里と未咲と鏡史郎とがいて

森七菜と松たか子が
神木隆之介と福山雅治が
"広瀬すず“と“広瀬すず“が

それぞれの過去と今とが
ピッタリとシンクロして

少女は少女なりの
少年は少年なりの
老いたるは老いたるなりの

鮮やかで奥ゆかしい恋の色があって

岩井作品と言えばこの人たちという
嬉しくも悲しい再会があって(w)

どう聞いても堀越二郎としか思えない
庵野秀明がいて

もう会うことも叶わない
木内みどりさんがいて

どうしようもない三枚目の
雅治カッターがあって

ふと気づくと
すうっと主人公が変わっていて

夏の盛りの雄々しさと辛さを
全身で泣くように鳴くセミの声と

後戻りできない
過ぎ去った過去といまとを繋ぐ
時計の張りの音と


そうしたさまざまな事柄が重なり

「ラストレター」へと

すべてが紡がれていく


そんなしっとりした
スクリーンと観てるこっち側との
恋の思いを伝え合う和歌のような
そんな素敵な2時間でした

下の句は無論

"我が頬伝う涙なりけり"

なのでした

お粗末様🙇🏻

[18:35]スクリーン6️⃣

P.S.
松たか子と広瀬すず

それ以外の出演者を全く知らずに
飛び込むように公開初日に観に行って
本当に良かったと思います

P.S.
劇中、これでもか!の
ドローンによる空撮が
妙に鼻についたのが
スコアが低い理由でもあります
ゲタ

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