貝

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語の貝のレビュー・感想・評価

4.5
一言で、素晴らしかった。
ポジティブな気持ちがみなぎって、女性であることを誇らしく思えるような、すべての女性を肯定する作品だった。映画館だから我慢しちゃったけど、ひとりで見てたらボロ泣きだなこれは。

登場する女性ひとりひとりに明確でわかりやすい性格を与えてるのがめちゃくちゃ良い。伯母さん(メリル・ストリープ)が当時の女性の生きにくさとしたたかさを体現してるし、四女エイミー(フローレンス・ピュー)が「経済」の結婚を責められ反論する時にローリー(ティモシー・シャラメ)がした苦しげな顔が現代を生きる私の気持ちだった。彼女達が闘っていた歴史の上に今がある。自分らしく人生を生きたい主人公のジョー(シアーシャ・ローナン)がその陰で抱える孤独を吐き出してまた自分を奮い立たせるシーンで胸がいっぱいになる。
暖かい家庭を作ることや、家族とずっと一緒にいること、どんな夢も素晴らしくてどんな選択をしてもいい。互いを完全に認め合う家族や隣人との距離感、空気感が素敵すぎてちょっと嫉妬した。

19世紀の物語だけど現代的な視点で描かれてるから本当に見やすいし、理想的な家族の中でも個人の葛藤が描かれてて感情移入もしやすい。女性ならきっと何か感じられる。
貝