フラニー

ディリリとパリの時間旅行のフラニーのネタバレレビュー・内容・結末

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

時間旅行だった、確かに。
私たちをベル・エポックの時代に連れていってくれる、冒険ファンタジーでした。

パリはズルくない?っていうほどの素晴らしい芸術家達が次々に顔を出してくれます!
ピカソ、マティス、ルソーのアトリエとか、川辺で描いてるモネとルノワール。
ムーラン・ルージュの楽屋(だったかな?)にはコレットがいて、「これからは自分のためだけに書くわ」なんてぼやいていたり、サティはジムノペディを弾いちゃうし、カフェにいたのはディアギレフとニジンスキー!モジリアーニが彼の絵の中からでてきたようなモデルをつれてるww
そして、ゴージャスなサラ・ベルナール、ロートレック…数え切れない!!

フランスの文化が好きな人にはたまらないかも!

でも、この物語のなかには、人種差別、女性蔑視といった問題も盛り込まれ、描かれている。

ニューカレドニアからやってきた、向こうでは肌の色が明るいとばかにされ、パリでは濃いと言われてうんざりしている女の子ディリリが、
少女を誘拐する男性支配団から彼女たちを救うという、勇気と、いつか貧しい人たちの役になりたいと心から思う優しさ、そういう精神がこの物語をよりクリアに、見応えあるものにしてると感じました。

マダム・キュリーと、サラ・ベルナールと、無政府主義者ミシェル先生が女性蔑視について語るシーンとか、かっこよかったし、印象的なのは、ロダンの彫刻に魅了されたディリリが、「私のお気に入りはこれ!」と指した作品が、カミーユ・クローデルのものだったところ!!!

プルーストは、何もしないで時が来るのを待ってるとか…
パリの黒人芸人、ショコラが踊り出したり…こだわりがあちらこちらに!

…年代、みんな一緒?とかいう野暮な疑問はさておき、ワクワクがとまらない、どこかの国のオリジナリティのないアニメーションとは大違いでしたー✨
フラニー

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