このレビューはネタバレを含みます
問題校に赴任する教師の話。
一言で言えば、「ドニー・イェン版GTO」という感じの作品でしたね。
問題児が単なる不良ではなく、それぞれに生き辛い事情を抱えているのが良かったし、人種差別や女性差別など、現代的なテーマを描いているのも感心させられました。
ドニー演じる主人公は、生徒1人1人に寄り添い、問題を解決していきます。
時間的な制約があるとはいえ、あまりにも簡単に解決するのは、ちょっと都合が良い様に感じてしまったかな。
悪人っぽい人が本当は善人だったりと、かなり性善説に基づいて作られているので、正直、甘ったるく感じる部分もありました。
この辺はドニー自身の世界観が反映されているのかもしれませんが、そもそも家庭の事情にまで首を突っ込むのは、教師の仕事ではない気もするんですけどね。
全体的にポップな雰囲気なのに、戦争や自殺といったシリアスな描写が入ってくるのは、映画がブレてる印象を受けたし、受験競争を批判しておきながら、学力によって主人公を救うという展開にも矛盾を感じる部分。
取って付けた様な主人公とヤクザの因縁もイマイチで、脚本や演出面の精度がもうちょっと欲しかったです。
プロデューサーも担当した、ドニーの問題意識や理念は素晴らしいと思いますが、作品のクオリティーが追い付いていないのは残念だったなと。
まぁでも、ドニー・イェンが教師役をやるというだけでも引きになるのは確かですし、アクションシーンもしっかり用意されているので、ドニーのファンなら楽しめる作品なのではないでしょうか。