きっとまだまだトランスジェンダーで苦しむ人達の気持ちに社会は追いついてないんだな。
セラピストの先生が、性転換手術を受けることを決めている主人公の心のバランスをなんとか早く取れるよう誘導するけれど、身体とのギャップはそう簡単には埋められない…
肉体的には男性であるのに心は女性だから、女性として主人公を皆が尊重してあげようとするけど、うーん…
いやー、ジェンダー問題はほんと難しい。むしろ男性・女性と言う概念を取っ払うようなセラピーの方がいいんじゃないか…って…
それもまた難しいんだろうけど。
骨格や手足の大きさは、確かに男性っぽい。そんな主人公が体の線を1番人目に晒すようなバレエ(だけど女の子としての憧れなんだろうね)を志すのも大変なことだし、増してやホルモン投薬までしながらって…
パパ、凄く頑張ってるけど、パパにしたらほんと身を切られる想いだろうな…
だってどんなに頑張ってもその苦しみを理解しきれないだろうし、自分の子供が想像できないくらい苦しんでるんだろうなと考えるだけで辛いだろう。だけど、想像を超えてしまっているから助けようがないってのは、もう辛すぎる。
主人公がどんな時も笑顔を作って、周りに心配かけないようにする姿は、きっと誰にも判らないと言う諦めと言うより、自分は大丈夫なんだと自分自身に言い聞かせてるのかなとも思った。慰めにもならない慰めの言葉を人から言われたら、それだけで必死に守っている勇気とか希望とかが崩れ去ってしまいそうだもの。
ラストの決断、凄くよく分かる。
病院とか専門家による医療行為は、治療を施す側の責任とかもあるから、ある意味マニュアル通りにしかできないんだよね。わたしもあれ以外の正解はないと思う。
しかし、主人公がとっても冷静で頭の良い子で良かった…
流石に目を背けずにはいられなかったけど、LGBTQ +色々(どんどん長くなる)ある中でも、Tの人達の苦しみをこれまでのどんな映画より理解出来たと思う。
なんとなく分かっているつもりでも、やはり彼らの辛さは想像を超える…